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製造年月日がなくなった理由とはなにか(注1)

第十一章 製造年月日がなくなった理由とはなにか(注1)

食品の日付表示は、従来「製造(加工)年月日」であった。この「製造年月日」は、消費者の食品選択時の重要な指標として定着していた。また問題発生時の原因究明や回収をする上で、行政措置の手掛かりになる点で最もわかりやすく、優れた制度であった。しかし、貿易が拡大し、輸入食品が国産品と競争をする時代に入り1993年には在日米国大使館在日米国商工会議所から、日本の製造年月日制度は貿易摩擦にあたるとのクレームが寄せられた。製造年月日表示によって日本の消費者は鮮度にこだわるので、輸送や通関に日数を要する外交食品は、国産に比べ不利な競争条件におかれているとされた。前述より厚生労働省は1992年12月「食品の日付表示に関する検討会」を設置し、1993年11月、期限表示のほうが有用であるとする報告書をまとめた。農林省も1992年7月「食品表示問題懇談会」を設置し、日付表示制度に原則として製造年月日から期限表示へ転換することが適当であるとする報告書をまとめている。

消費者団体は製造年月日を残すべきと反対したが、1994年9月より期限表示へ移行し「いつ製造されたか」表示から「いつまで持つか」表示へと180度転換された。

第一節 期限表示導入の政府見解について

市場開放問題苦情処理推進本部(OTO)は、「日米構造問題協議フォローアップ第2回年次報告(平成4年7月30日)」、「総合経済対策(平成4年8月28日、経済対策閣僚会議)」等を受け、平成4年9月21日、「基準・認証制度等に係る市場開放問題の検討について」を決定した。

本報告書は、同決定に基づき、OTO諮問会議において、外国人事業者等からの問題提起に基づき、我が国の基準・認証制度等に関する問題の所在を明確化し、必要な対応を意見として包括的な所見として以下の3点ように取りまとめられた。(1)今後、我が国が国際社会と調和をとりつつ発展することを意図するならば、我が国市場が閉鎖的であるという諸外国のパーセプションを改めていくことが極めて重要である。そのためには、我が国は、相手国の要求を受けて対応するのではなく、率先して自らの市場を早急に開放し、これを輸入拡大に結びつけていくことが必要である。また、外国と長年協議を行っているにもかかわらず、実質的な進展がみられていない場合もあるが、こうしたこと自体が我が国の市場が閉鎖的であるという認識を醸成させる原因になりかねないことにも十分配慮すべきである。 (2)我が国の基準・認証制度については、これまで国際的整合化への努力が行われてきたが、今般の問題提起の中には、依然として、従前の制度につき必要な見直しが行われていなかったり、新たな技術、製品への対応が遅れていたりしている分野が見られた。 また、新たな国民のニーズに対し、これを想定していなかった規制をどのように対応させるかが問われている分野もあった。基準・認証制度の国際的整合化や輸入手続の簡素化、迅速化は、我が国の市場アクセスの改善を図る上で、極めて重要であり、今後とも政府としては最大限の努力を傾注すべきである。 (3)開放的、競争的でかつ透明性の高い市場は、一つ一つの制度を改善していくという地道な作業があってはじめて形成されるものである。今回、我々が行った検討は、こうした作業の一つとして位置付けられるものであるが、我が国市場を真に開かれたものとしていくためには、今後とも、今般の作業経験を活かし、更に努力を積み重ねていくことが必要である。 また、行政としても、我が国の規制・制度を、国内事情のみならず、輸入者の視点に立って見直していくことが重要である。更に、我が国がこうした努力を着実に積み重ねている事実を諸外国に積極的に説明し理解を得ることも重要である。

第二節 国の第一節の期限表示導入検討結果・評価

(1)食品の日付表示の国際的な基準・規格としては、既にFAO/WHO合同食品規格計画(CODEX)が、"Date of Minimum Durability"を基本とすべきと定めており、EC諸国においてもこれに準じた制度を導入している。我が国の国際社会における立場や食品の国際貿易の現状を考慮すれば、①食品の日付表示制度も国際的な規格・基準と整合化を図る必要がある。 また、現行の製造年月日表示については、長い期間を経て定着した制度であり、事故時の原因究明及び回収の行政措置の手掛かりになるとともに、消費者の食品選択時の重要な指標として国民の間にも定着していることは事実である。 しかし、近年の食品製造技術や流通技術等の発達に加え、様々な加工度の食品が供給され、②消費者が食品の外見等からその保存性を判断するのが困難となっている現状では、食品選択時の指標としては、期限表示の方が製造年月日表示より合理的であると考えられる。 さらに、③製造年月日表示をベースにした不当に短い販売期限等の設定が、良品返品の増加などによる食品そのものの無駄や生産・流通効率低下によるコストの増加を招きかねないとの指摘もあるが、これは期限表示を導入することにより改善されてくると思われる。 このため、今後の食品日付表示の在り方としては、基本的には製造年月日表示に代えて期限表示を導入することが必要である。 その際、食品の特性(保存性)や、製造年月日表示に慣れ親しんできたという実態を踏まえ、消費者、業界等関係者の意見を聴取した上で対応の在り方について十分検討しておく必要がある。 (2) 小売業者や卸売業者による納入期限、販売期限の設定等の商慣行に関しては、期限表示を導入することによって、消費者の適切な商品選択が促されると考えられる。これを通じて必要以上に短い納入期限、販売期限を設定する必要性に乏しくなると考えられ、外国食品が国産品に比べ競争条件で不利となり得る状況が改善されてくるものと期待される。

第三節 上記政府見解に対して見解

下線①について、国際的な規格・基準と整合化を図ることは重要なことであるが、日本は島国であり、海や山が近く新鮮な魚貝類や山の幸を食べることができる「食文化」があり、新鮮な食品は美味しさ、安全性として必要不可欠である。一方、大陸諸国である欧米は、生産地から消費者までの物流に時間を要してしまうため、鮮度を求められるの条件は乾燥、油漬、塩蔵、燻製などの保存技術を発展していく環境にあり、いつまで食べられるかの表示が受け入れられた背景がある。国の食文化は異なっているので日付表示は製造年月日が、最も客観的であり消費者に分かり易い表示制度である。しかし、自由貿易を進めることを前提に作られた国際基準では、輸入品が鮮度で不利になる製造年月日制度は貿易の障壁と位置けられている。輸入品が国内市場に参入するためには国産品にはない魅力が求められる。特に消費者のニーズの高い「製造年月日」がないのは、新鮮さを売りにしている立場からすると不公平な制度である。自由貿易の中、最低でも日持ちしない食品は全て製造年月日を明記すめきである。下線②について、食品製造技術等が発達し、様々な食費が供給され、消費者が食品の外見から保存性を判断することが困難としている。それならば新開発食品を保存性について、いつからいつまで持つかと言う情報開示が求められ、製造年月日と賞味期限の併記が必要となる。下線③について、これまで消費者は製造年月日を見れば、冷蔵庫などでいるまで持つのか見当はできたし、味覚や五感で食べられるか、火を通せば食べられるのか自分で判断してきた。期限表示になっても、コンビニエンスストアでは大量の食品が処分されている。また生活経験の少ない学生や若者の中には期限が過ぎれば不安を感じ、廃棄している人々が増えていると言われている。食品の廃棄率は期限表示になって減少したとは言えない。現在年間約2000万トンの食品を廃棄する世界有数の食品廃棄国である。また期限表示は製造業者が独自に行っており、表示の客観性は損なわれている。さらに製造業者は製造期間の70%位に期限日付を設定しているといわれており、小売段階では期限が迫った商品は十分に食べられるが返品や廃棄などが行われていると言われている。また食品偽造表示の背景の一つとして、品質に問題がなくても消費期限の残存期間が短いと取引を拒否されてことがあり、業界の体質が偽装の大きな要因である。注1:「消費者のための食品表示の読み方(毎日何をたべているのか)」、安田節子、㈱岩波書店、3003年4月4日、28項