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食品表示規制の必要性

食品表示の意識

食品不正表示事件・問題

JAS法改正後の検証

遅すぎた食品安全性8法案

(消費者の声、反映に課題)

JAS法と食品衛生法の相違

(JASと食品衛生法に絞って)

「危ない食品」東京都が企業名を公表へ

偽装事件続出の背景にある法律

小売店の偽造は発覚しにくい

世界の食品表示(遺伝子組み換え食品)

製造年月日がなくなった理由

消費者が知りたい食品表示内容

食生活(人体への影響、食べ残し、人口、自給率)

食品表示の改善点

偽造食品表示問題への提言

 

食品表示の意識

第二章 食品表示の意識

第一節 主婦編

食品表示について大都市に住む9割が不満を持っていたことがあり、6割が不信感を抱いていることが国民センターの調査でわかった。

牛肉、鶏肉の偽装表示や輸入野菜の残留農薬など、食べ物をめぐる一連の不祥事の影響が改めて浮き彫りとなった。

調査は2002年10月、11月に全国政令指定都市と東京23区に住む主婦3000人を対象に行われ、有効票は2100人となった。不満をもったことがあるのは91%、その内訳は①日付表示が見えにくい、②活字が小さい、③収穫後の農薬使用に関する表示がないなどが主な内容となった。また、どちらかと言えば信頼できない、信頼できない合計が62%に達した。不信感を持つ表示の種類は、肉類と生鮮魚介類では「原産国」「日付や賞味期限など」「国内産地」などである。生鮮・冷凍野菜では「農薬を使わない、または減らしている旨の表示」が56%を占めている。加工食品に使用される添加物に関しても、90%が「不満や不振を持ったことがある」と回答した。その「内訳は「安全性」の69%が最も多く、「種類が多い」「表示の専門語がわからない」「何のために使っているのかわからない」などが挙げられた(注1)。

第二節 企業編

国内初のBSE(牛海綿状脳症状、狂牛病)感染牛が見つかって2002年10月で1年目となり、企業は「食品の表示問題」を経営上最も重視することとともに原料などの安全管理を徹底するトレーサビリティーシステム(原料や出荷後製品の追跡・遡及)を積極的に取り入れていく傾向になる。

検査前の国産牛肉の買い取事業を悪用した偽装事件、食品の偽造表示、残留農薬問題である「食の安全性」を巡る様々な問題に企業がどう取り組んでいるのかを探ったデータによると、回答企業(複数回答)は「食品の表示問題」が最も多く75社(62%)に達した。「異物混入」(59%)、「違法香料・添加物」(46%)が続いた。この一年間、消費者に対応する体制を強化した企業1259社(49%)である。担当者を増員し、全社員が消費者情報を共有化できるシステムを構築した。

現在、製品・原材料の問い合わせが増えているほか、一部の企業では製品の自主回収によって情報開示の体制整備を迫られた事例もある。

品質管理や安全対策の専門部署を新設したのは21社(17%)。そのほかの回答企業も、専門部署の設置は1990年代に集中している。2000年6月の雪印乳業による集団食中毒事件で見直した事例が多く、消費者が求めている「安心」に応える企業側の体制整備は課題を残している。 

原料調達を見直す動きも目立った。自社の品質基準に合った取引先に絞ったり、複数の取先に変更して安全性を高めた企業は34(28%)となっている。

2001年はBSE問題の発生で牛エキスなどの材料が見直しされ、2002年は協和香料化学などによる違法香料問題で調達先の見直しが進んだ。 

原料から製造・販売まで一貫した安全管理の仕組みとして注目さえているトレーサビリティーシステムとしては76社(63%)が実施や試行の段階にあると答え、41社(34%)が「検討中」としている。 

雪印乳業や日本ハムのグループなどによる相次ぐ不祥事の続出で食品企業は安全管理や法令順守が問われており、今回の調査では80(66%)が「社員教育を強化した」と回答、倫理規定や全社的な教育プログラムを見直している。

[BSEの問題が発生した1年後の食品121社の調査結果](注2)

<調査方法>

·調査対象:本社一部、二部に上場し「水産」「食品」に分類されている企業と非上場の有力な食品企業

·調査方法:9月上旬に122社に対してアンケートと聞き取り調査を実施した。

·解答:121社。 第三節 企業事例(フジッコ)

消費者の食品の安全性に対する関心が高まっているのを受け、フジッコでは加工食品の原料となる豆類など輸入農産物の残留農薬検査システムを取り入れた。主力商品の一部については原材料の原産地と検査結果をホームページ上で公開している。目に見える形で安全対策に力を入れている。同社は2002年8月に「食品安全検査室」を設け、検査委員4人を配置した。

中国産農産物の残留農薬問題を受けて、約5千万円かけて検査機器の設置や検査員の教育などを行い、原料の残留農薬を自社で検査するシステムを稼動させた。 

検査システムは、ガスクロマトウラフィー量分析法と呼ばれる方法を採用した。原料サンプルを有機溶媒で溶かして縮小専用機械を使って28度の高温で気化させオン化、生成したイオンに電気ショックを与え質量を測定する。検査対象は全商品約800品目に使われている輸入原料農産物64種類で、50種類の農薬はなにか、どの程度の量使われていたのかを特定する。

検査開始から結果が出るまでの時間は短で1~2日程度である。従来は外部の検査機関に依頼すると結果が届くまで3週間程かかる ことがあった。輸入原料の中からコンテナーは箱ごとに一キロ検体を無造作区に出し、一日6検体ずつ4日半程度かけて、次検査する方針である。システム導入後、日本の定量に近い量の農薬が使われた輸入原料が使われていた場合には、迅速に原料の調達先を変える。

2002年10月から主力の惣菜商品「おかずばたけ」シリーズを対象に、生産履歴情報の検査システム化を導入した。原材料の原産地から製造上、残留農薬検査結果までも情報をデータベース化し、消費者は同社のホームページ(http://www/fujicco.co.jp/)上で商品名、消費期限、製造番号を入力すると、原料の原産地と残留農薬検査の結果を見ることができる。

2003年からは漬物類も生産履歴情報を開示する考えである。今後は消費者の要望を踏まえながら原料の製造工程や配合比率などの情報公開も検討している。

検査体制の整備や履歴情報の開示に加え材料そのものの海外産から国内産へシフトを進めており、主力の煮豆商品「おかめさん」シリーズについては、従来約70%だった北海道産大豆の使用比率を80%に高めた。 

こうした施策を相次いで打ち出したのは、残留農薬の有無など原材料に関する消費者の問い合わせ件数が増加しているため。2001年は1年間で約30件だったのに対し、2002年に入ってから1ヶ月平均約100件と急増した。

同社は1999年10月にPCR法(遺伝子増幅)と呼ばれる方法を使って原料の遺伝組み換えの有無を調べるシステムを導入した。製造工程にも無菌包装システムを使い、全商品が「合成保存料無添加」を売り物にし、消費者の不安を取り除き、安全性について説明責任があるのを自覚 して、今後も検査体制の充実に努める方針である。(注3)。

注1:「食品表示に不満9割」、読売新聞、2003年2月19日、24項

注2:「食の安全性表示重視6割」(BSE1年、食品121者を本社が調査)、日経産業新聞、1項

注3:「食の安全」、日経産業新聞、2002年12月26日、19項